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マクロライド療法

マクロライドの少量長期療法                

呼吸器内科では、慢性気管支炎や気管支拡張症に、マクロライド系抗菌剤を、通常の半量以下で数ヶ月から数年も処方することがあります。長野県の医師が始めた治療法ですが、耐性菌を作りそうな方法なので、初めは理解されませんでした。しかし、痰を減らす・ウィルス感染を防ぐ・難治性の緑膿菌を減らす・もとの病気の増悪を防ぐ・慢性呼吸器疾患自体を治すなどの作用が確認できました。その機序は、体の過剰反応を抑えるサイトカイン(白血球が出す物質)を調節することによって炎症を抑える・気道の繊毛の動きをよくする・細菌の分泌する接着物質を破壊すること等であるのがわかりました。ただ、作用機序に抗菌作用は関係ないのに、マクロライドが抗菌薬であることが、誤解される原因と言えます。

なお、マクロライド系抗菌剤にも、いろいろありますが、日本呼吸器学会では、安価で、耐性菌を作る可能性が低い「エリスロマイシン」を使うことを、推奨しています。

写真は、私が以前診察した「びまん性汎細気管支炎」の患者さんのレントゲン写真です。呼吸困難と貧血で、来院されましたが、この治療で完治されました


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